~鬼十則とメンタルヘルス~

      2017/02/07

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『手帳に「鬼十則」電通取りやめ検討』
(朝日新聞11/18より)

電通さんで毎年、配布されている社員手帳、
そこに掲載される
行動規範「鬼十則 」の掲載が
取りやめの方向で検討されているとのこと。

【5.取り組んだら放すな、
殺されても放すな、目的完遂までは・・・。】

この規範が「長時間労働を助長しかねない」と
ご遺族様が問題視されているとのこと。

過労、睡眠不足、業務過多、不適切な発言、孤立が続く中、
この行動規範を求められたら、
誰だって追い込まれてしまうのは明らか。

状況は違えど、私も電通さんに在職中、仕事で行き詰まり、
体調不良を理由に、
3日間休んでしまったことがありました。

もしその時、この行動規範を求められたら、
抑うつ感を強め正常な判断を失っていたと思います。

かつ、一人暮らしでしたので、
どのように抜け出していいのか、その術もわからず、
かすかなエネルギーが不安定となり、
それがどんな衝動的な言動を起こすか、
今、専門家の立場からみると、危険でした。

ただ、当時、幸運にも職場の先輩上司が
そんな私を見舞ってくださったおかげで、
大事にいたることなく、また、
職場復帰後も業務量の見直し等で、
その困難から救っていただける職場風土で、
本当にありがたかったです。

さて、電通さんは、今まさに、
本気の職場風土の変革、新たな働き方に向けた創造が
行われていることと思います。

とても大変だと思います。

なぜなら、これまでの会社の発展を支えてきた、
心の屋台骨ともいえる「鬼十則」について、
その存在価値を問い直されているからです。

会社の数ほど、経営理念があり、
またそれを実現するための行動規範となるものを
定めている会社さんも多いと思います。

それは、人を世界を幸せにするための経営理念であり、
行動規範は、それを実現するための行動の在り方を定めることで、
働く私たちの能力を最大限に発揮して、
お客様のために貢献しようとするものだと考えます。

しかしながら、「お客様第一主義!」が強過ぎるあまり、
幸せになるべき、”社員”をないがしろにしては、
会社の繁栄は期待できるものではありません。

お客様の立場になったとき、
どこの会社さんからその価値を手に入れたいと思うか。

それは、社員の方の犠牲になっている会社さんより、
幸せそうに働く社員さんがいる会社さんの方が
いいに決まってます。

実は、私、今回の新聞記事を読み、
「もしや?」と思って、
過去の資料をひっ繰り返してみたら、
「DENNOTE 2002」を発見。

2002年、私が退職した年の社員手帳です。
その中身を、「鬼十則」を、確認したら、
なんと、
その第5条にだけ、〇印がしてありました。

理由は明白です。

それは、退路を断って電通さんを退職し、
新たな道へチャレンジした当時の私にとって、
初志を完遂する以外に、道はなしの環境だったからです。

だから、当時の私にとって、
第5条は、励みでした。

しかし気をつけねばいけないのは、
冒頭申し上げたように、行動規範は
働くものを追い詰めるものであってはいけません。

それは、自分が成長し、お客様から喜んでいただき、
働く仲間と息を合わせて、どんな難局にも挑んでいこう!
と、一人ひとりが前向きに思えるものでなくては、
その意義がありません。

今、これから大きく社会が変わっていく中で、
会社の存在価値は、ますます厳しく社会から
問われることになると思います。

その時、最も大事なになる、経営思念や行動規範は、
まず社員に寄り添ったものであることを
強く望みます。

拙稿でありますが、
「ストレスチェックの教科書」サイトに

~ストレスチェック・コンサルタント
吉田貴芳の視点~

http://stress-check.org/category/blog/

と題して、これまでの記事をまとめております。

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