医師の6割が「ストレスチェック制度、効果ない」
2017/02/07
【#8】~医師の6割が「ストレスチェック、効果ない」~
さて、今回は、
ニーズに沿ったセーフティーネットとしての
メンタルヘルス体制をどのようにつくるのか、
を具体的に考えてみます。
そのために、私は、
「ストレスチェック制度を活用すること」
をお勧めします。
なぜなら、
その取り組みから、
社員と会社のメンタルヘルスにおける
実態(=ニーズ)が明らかになるからです。
違う見方で言いますと、
メンタルヘルスが機能しているかどうか?
つまり、
ニーズにあったメンタルヘルスが
提供できているかどうかがわかります。
では、ストレスチェック制度をどのように
活用できるか述べてみます。
まず、ストレスチェック制度を少し解説しますと、
目的は、1次予防(メンタルヘルス不調の予防)
流れは、次の通りです。
1.ストレスチェックのアンケート実施(必須)
↓
2.高ストレス者に対する医師の面接指導(必須)
↓
3.職場の集団分析(任意)
↓
4.職場環境の改善(任意)
ご覧の通り、
個人向けと、職場向けの取り組みが
あることが分かります。
つまり、
個人のニーズと、職場のニーズが分かる機会を得ることが
できます。
もちろん、プライバシー保護の問題があり、
全て会社が知り得ることはできません。
今回は、その細かい説明は省きます。
ただ、いずれしにしても、
ストレスチェック制度が義務化になったことによって、
社員たちの貴重な声を聴くことができ、
職場の実態もデータ化をすることができるようになりました。
だから、私は、
こんな恵まれた機会を会社は、
活かさい手はないと思っています。
しかし、一方で、
こんな実態があるのを知って、少し残念にも感じました。
それは、医師を対象としたストレスチェック制度に関する
アンケート結果です。
その結果によれば、次の通りでした。
質問:「ストレスチェックはメンタルヘルスの
1次予防に効果があるか?」
回答:【6割】以上の医師が【効果がない】
その理由は、色々とあると思います。
ただ、ストレスチェック制度における実施の
中心人物である医師の期待がこれだけ低いのは、
残念です。
私は医師ではありませんが、
でも近い場所にいるので嘆きたい気持ちは
とってもわかります。
ただこれは、裏を返せば、
ストレスチェック制度は、産業保健スタッフだけで、
その効果を得ることが難しい問題ともいえます。
では、どうすればいいか?
それは、経営的なアプローチも必要です。
実は、産業保健の苦手な部分を一言で言いますと、
【組織開発】という経営視点からの取り組みです。
そもそも産業保健は
個人対応が中心で対応してきたため、
職場集団や組織分析を通じたアプローチは、
これまであまり取り組むことがなかったからです。
だから、今後大事になってくるのが、
一昨日にお伝えした通り、
【産業保健 × 経営 = 機能するメンタルヘルス】
今日のまとめは、
メンタルヘルスは、産業保健にだけまかせていても
すべてが解決されるわけではないということです。
では、どうすればいいか
次回以降で考えていきたいと思います。
そして、ストレスチェック制度をより具体的に
確認しておきたい場合は、
本サイト【ストレスチェックの教科書】
第1章.理解する「ストレスチェックとは、どんな制度」
→【4. ストレスチェック制度の全貌】をご覧ください。