~働き方の再構築~

      2017/02/07

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一昨日、電通さんの取り組みがニュースになっていました。
「本社を夜10時に一斉消灯」
「36協定時間の引き下げ」

労働環境の抜本的な改善に向けて、具体的な対策をとっているようです。
もちろん、対策の一つだと思います。

~当事者として、専門家として(10月15日)~
に書かせていただきましたが、広告・マスメディアの業界は、生き馬の目を抜くような過酷な業界です。

一方でその世界に身を投じている自分にプライドを持ちながら、
お得意様のタフなリクエストにも、期待以上に応えようとすることに使命を感じて臨んでいるひとたちが競いあっている世界でもあります。

しかし、その広告界における働き方の見直しが問われています。

電通さんの企業理念は、「Good Innovation」。
その意味は、単なる技術革新だけでなく、自らの働き方も変革することで、お客様や社会に貢献していくことが目指されているようです。

まさに今、その企業理念の実現が問われた中で、事業の永続的な発展に必要な新たな「働き方」を見いだすべく、全社一丸となった取り組みが始まったのだと思います。

もちろん、今の日本社会の中で「働き方」の見直しを問われているのは、何も電通さんだけでなく、多くの会社さんが直面している課題です。

だから政府でも「働き方改革」を政策の重要課題として取り上げ、
今後、多様な働き方や、働き過ぎを防ぐ新たな枠組みをつくるべく、その取り組みが始められています。

そのような中で、私たちに必要な働き方はどうしたらいいのか。
ストレスチェック・コンサルタントの立場から考えてみたいと思います。

以前の投稿では、「セーフティーネットの重要性」を述べさせていただきました。

今回は、「コミュニケーションの重要性」を述べさせていただきます。

働いている多くの方が実感していることに、職場のコミュニケーション不足あると思います。

「過去3年の職場と自分に関する変化」
に関するアンケート*から、以下の項目が上位にあります。
・「若年層に手が回らなくなった(4人に1人)
・「職場で協力しあう雰囲気がなくなった」(5人に1人)
・「精神的ストレスが増加した」(6割以上)

*(独立行政法人、2005年、ホワイトカラー2800名対象)

一方、私自身、働く人のメンタルヘルスをサポートさせて頂いている仕事の中で、最近、若手のコミュニケーションで特に感じていることがあります。

それは、悩みや困っていることを抱え込んでしまう傾向が強く、またそれらを身近な人には直接、SOSを出せない傾向を持っているということです。

でもその反面、ネットでは自分の本音をありのままに漏らしていたりするなど、極端な関係の取り方をしているのを感じます。

また、職場のメンタルヘルスに詳しい精神科医の松崎一葉医師は、「学歴の高い人は知らない人に相談しない傾向がある」との特徴も述べられています。

このように、今は、職場と働く人のコミュニケーションにも大きな変化が見られます。

それは、会社を取り巻く環境が厳しくなるにまして、その競争力を上げるべく社内では、成果主義が進んでいます。
そこで、人材育成や、相互支援など職場の機能が低下してしまうことがあります。
それゆえ、安心・信頼感のあるコミュニケーションになりづらい背景も関係しているように考えられます。

このような厳しい仕事環境の中では、
いくら優秀・能力があっても、あるいはやりがいを感じられる仕事であっても、いい成果を出し続けることはできません。

「この会社で働けて幸せ!」と思える会社で働くのも、あるいはま、そのような会社を経営するのも、不可欠なことは、思いやりのあるコミュニケーションですよね。

しかし、今の職場には、その思いやることが自然に起こりづらい状況があります。

だから、会社としては、社内コミュニケーションが活発となるような、しかけや、仕組みを積極的に行っていくことが必要だと考えます。

例えば、次のような面から考えてはいかがでしょう。
①タテ(経営者・上司)、②ヨコ(同僚・同期)、③ナナメ(他部署)、④全社(レクリエーション)、⑤専門家(産業保健スタッフ)など。

企業はひとが一番の財産であることを否定する人はいません。
ただ、その大事なひとが今や、会社の中で孤立化・小グループ化してしまいやすい状況があります。

ならば、会社としてすべきことは、ひととひととのつながりを強めること。

働き方を変えるとは、
ひととの関わり方を変えることであり、
さらには、自分との関わり方を変えることでもあります。

「この会社で働けてやっぱりよかった」
「この仕事に出会えてよかった」
と思っている社員がいる会社が社会から必要とされ、成長し続けていくことができるのではないでしょうか。

一方で、私たち1人ひとりも、国や会社が自分に何をしてくれるのかを期待するばかりでなく、自分の働き方と向き合う時期に来ているようも感じます。

また、経営者の皆さんも誰より使命をもって経営しておられる中で、働いてくれている社員の働き方を再確認することを迫られている時期にさしかかっているのではないでしょうか。

まさにこれからは、国を挙げての働き方の改革が行われていきます。願わくば、小手先の対処にとどまらず、平和な国で働けることに感謝と喜びを感じながら、日々の仕事に笑顔で迎えられる働き方を追求していきたいです。

 

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