1.【理解する①】
2017/02/07
「ストレスチェック制度」とは、どんな制度?
自社にとって少しでも役立つ制度にしましょう。
そのために、まずはストレスチェック制度の概要と、その背景を理解しましょう。 “制度”というと、難しく感じられますが、「何をすべきか?」は、あらかじめ決まっています。 だから、その制度で決められたことがわかれば、あとは進めるだけです。
しかし、注意しましょう。単にやり方だけがわかっても、「どうしてやるべきことになったのか?」という背景も理解しておきましょう。自社に根づかせるためには、その背景をきちんと理解することで、その必要性を広めていくことができます。どうせやらねばいけない制度なら、少しでも自社にとって役立つ制度にしましょう。
1. ストレスチェック制度を理解するために
➡ 1-1 ストレスチェック制度を200字で説明しました
ストレスチェック制度は、労働安全衛生法の改正により、2015年12月より施行された法律です。目的は、従業員のメンタルヘルス不調の防止策と、働きやすい職場環境の改善です。それらの取り組みにより、生産性の向上も期待されます。
具体的には、従業員への『ストレスチェック』と、『医師による面接指導』が、従業員50人以上の事業所に義務づけられました。また努力義務として、『集団分析』による職場環境の改善が勧められています。
➡ 1-2 ストレスチェックを試してみましょう
あなたは、ご自分のストレス状態に気づいていますか?ストレスチェックとは、アンケートにより心の健康状態を測るものです。「百聞は一見にしかず」、以下に『ストレスチェック・リスト』をあげましたので、実際にご自身で試してみましょう。この『ストレスチェック・リスト』は、厚生労働省が推奨している『職業性ストレス簡易調査票(57項目)』です。
ストレス・チェックのやり方
1)A、B、Cの質問に4択から答えます。
2)A、B、Cの合計点数を出します。
ストレス・チェックの見方
⇒高いストレス状態にあるかどうかの基準は、次の2点。
1)Bの合計点数が、77点以上
2)①AとCの合計点数が76点以上、かつ
②Bの合計点数が、63点以上
(以上、厚生労働省「安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」を参照しています)
今回、法制化になったストレスチェック制度とは、このようなストレスチェックを通じて、自分の心と体の状態に気づいて、自分でケアをすることが目的の一つです。これを「セルフケア」と言います。そして、もう一つの目的が、「職場環境を改善すること」です。セルフケアにおけるストレスチェックのアンケートを通じて、職場集団のストレス状況もわかるようになります。
このように、ストレスチェック制度とは、個人と職場のストレスを把握して、改善していく取り組みと言えます。詳しくは、これからご説明していきます。
➡ 1-3 情報源について
ストレスチェック制度を導入するための大前提として必要なことは、「制度を理解すること」です。そのためには、情報(源)が必要となります。
では、「ほしい情報(源)をどうやって得るか?」。
特に、ストレスチェック制度を実際に導入するご担当者の方は、より有効で適切な情報(源)を確保・選択することが大切です。しかし、新しくできた法律ですから、どこで、どのような情報を、どのように取り入れたらよいか、お困りになることもあると思います。また、いろいろな機関や専門家から発信されてもいるので、どのように活用したらよいのか迷うこともあると思います。
そこで、情報(源)先については、以下のようにあげておきます。それぞれ使い分けをしながら、必要な情報を手に入れましょう。
☑ 厚生労働省の公表資料
⇒厚生労働省ホームページ、”心の耳”ポータルサイト等
☑ 公的な相談窓口
⇒厚生労働省、労働基準監督署、サポートダイヤル、産業保健総合支援センター等
☑ 外部の専門機関
⇒EAP(メンタルヘルスを提供する民間会社)、医療機関(健康診断)、学会・団体等
☑ 専門家
⇒医師、産業医、保健師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、産業カウンセラー等
⇒弁護士、社会保険労務士、経営コンサルタント等
☑ 情報源
⇒書籍、セミナー、インターネット