3.実施する④ 監督官庁へ報告

      2016/10/13

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労働基準監督署 報告完了

スレスチェック制度は、従業員50人以上の事業所には、その実施報告が義務づけられています。事業者は、期限内に実施して、速やかにその報告を監督官庁である労働基準監督署に必ず行わなければいけません。本章では、その実施報告に関して、いくつかの注意点をご説明します。

1.実施報告は、必ず必要です!

ストレスチェックは、締め切りがあります。初回に当たる今年は、2016年11月30日までにストレスチェックを実施する必要がります。これは、法律で決まっていることです。

詳しく説明しますと、ストレスチェック制度は、労働安全衛生法の一部が改正され、2015年12月1日より施行されています。その法律の中では、ストレスチェックを、1年以内ごとに1回(以上)は実施して報告することが、従業員50名以上の事業所には義務づけられています。だから、ストレスチェックの実施の締め切り日が、2016年11月30日になっているということです(2年目以降の締め切り日については、本章【4.いつやるか?結構、重要です!】を参考にしてください)。

ここで気をつけたいのが、この締め切り日です。実は、この締め切り日には、結果通知や面接指導の実施までが含まれていません。加えて、実施報告の提出期限でもないからです。

つまり、2016年11月30日までになっている締切日は、ストレスチェックというアンケートの実施に対する締切日です。そのため、仮に結果通知や、面接指導が、2016年12月1日以降に実施されていても構わないということです。

つまり、ストレスチェックの実施報告は、2016年12月1日以降になっても構わないということでもあります。そのため、現時点(2016年10月1日)で、まだ実施報告ができていない事業者様は、まだ間に合います。2016年11月30日までに、まずはストレスチェックの実施を行いましょう。

そしてそのストレスチェックの実施報告先は、監督官庁である所轄の労働基準監督署になります。ストレスチェックは期限内に実施して、そしてその後の取り組みを行いましたら、速やかに実施報告を提出をしましょう。では次にその報告様式についてご説明します。

2.提出用の報告様式は、決まっています!

報告書 フォーマット提出用の報告様式は規則に規定されているフォーマットを使用しなければいけません。
その報告様式は、厚生労働省のホームページに掲載されていますので、ご確認ください。
以下に厚生労働省のURLと、報告様式をご紹介します。

■厚生労働省URL

タイトル名: 「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」

様式: 様式第6号の2(第52条の21関係)(表面)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/24.html

 

■ストレスチェック制度の報告様式

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3.間違っていませんか?人数の数え方

人数を正しく入力報告様式の欄にある「在籍労働者数」の人数は、2つの点から間違えないようにしましょう。
1.在籍労働者数に、派遣労働者等は含まれません。
2.在籍労働者数と、実施義務である50人以上の労働者数とは、違います。

3-1 在籍労働者数に、派遣労働者等は含まれません。

在籍労働者とは、常時使用する労働者のことです。別の言い方をしますと、一般定期健康診断の対象者(=社会保険加入者)のことです。
つまり、在勤労働者数が意味するのは、ストレスチェックの受検対象者の人数です。
わかりやすく言いますと、次の人たちです。詳しくは以下の図をご参考にしてください。
☑ 正社員
☑ 週30時間以上働く非正社員

そのため、上記以外の労働者(派遣労働者、週30時間未満の労働者等)は含まれません。もちろん、経営者も含まれません。

在籍労働者とは?ストレスチェック制度の実施マニュアル(厚生労働省より)
①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労 働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上で ある者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されてい る者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
② その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事 する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であるこ と。

3-2 在籍労働者数と、実施義務である50人以上の労働者数とは、違います。

在籍労働者数
= 正社員 + 週30時間以上の非正社員 + 出向者を含む場合もある(給与・管理監督権限等で異なります)

つまり、ストレスチェックの実施義務がある人全ての人数です!

実施義務である50人以上の労働者数
= 在籍労働者数 + その他の労働条件で働く全ての人数*
(*週30時間未満の非正社員 + 派遣社員 + 出向者を含む場合がある + 請負等)

つまり、その事業所で働く人全ての人数です!

【ここで注意!】
そもそもストレスチェック制度が適用される事業所かどうか、今一度確認をしておきましょう。なぜなら、ストレスチェック制度の実施義務となる50人以上の労働者の数え方を誤解している場合があるからです。

つまり、実施義務となる50人以上の労働者とは、在籍労働者数のことではありません。あくまでそこの事業所で働くすべての頭数のことですので、注意しましょう。

例えば、貴事業所が総勢50人の労働者の場合
【A】正社員 =2人
【B】週30時間未満の非正社員 =30人
【C】派遣社員 =18人

☑ 総勢50人なので実施義務の事業所となります。正社員が2人だからと言ってやらなくていいわけにはなりません。
☑ ただし、法的にストレスチェック制度が適用されるのは、【A】正社員の2人だけです。
☑ 【B】派遣社員は、派遣元の会社がストレスチェック制度の義務を担っていることになっています。
☑ ただし、集団分析を行うなら、【B】【C】を含めてストレスチェックを実施した方がより効果的です。その場合、【B】【C】と協議をした上で、ストレスチェックの受検対象者にすることは可能です。

4.いつやるか?結構、重要です!

重要な点先の【1.必ず実施報告をしなければいけません】でも述べました通り、ストレスチェック制度は、1年以内ごとに、1回の実施が必要です。そのため、2年目からの実施については、気をつけなければいけません。それは、1年以内ごとの期限を守らなければ、いけないからです。

例えば、
今年2016年10月1日に提出をしましたら、
次の年はの提出期限は、2017年9月30日が提出締切となります。

そのため、
2017年の11月30日までとか、2017年12月31日ではありません。

つまり、
2年目からの提出期限は、
前年に提出された日付から1年以内となりますので注意しましょう。

だから、
実施月の変更は、後ろにずらすことができず、前年の実施月の前にしか変更ができないことになります。そのため、実施計画を立てる時には注意しましょう。

ちなみに、
実施回数については、1年のうちに複数回実施することが可能です。
その場合の提出は、両方出す必要はなく、いずれか1回分を報告すればいいことになってます。

5.実施報告を決められた期限までに行わなかったら?

このような事態にならないことを願っていますが、ご説明します(関連の内容としては、【Ⅰ.1-5 もしもストレスチェック制度を行わなかったら】で取り上げています)。

ストレスチェック制度の実施報告を行わない場合、罰則として、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

ストレスチェックの実施報告を、期限内に労働基準監督署に届け出なかった場合、監督状が送られてくることが予想されます。さらにそれでも対応しなければ、臨検(事業所に労働基準監督官が出向いての取り調べ)、さらに罰則という可能性があります。

ストレスチェック制度は、労働安全衛生法に基づく法律であり、義務化となっているからです。そのため、実施すべき事業所でその報告義務を怠ると、罰則となります。これは、労働基準監督署への報告が、労働安全衛生法120条第5号、第100条に基づいて行われるものであります。
なお、50人未満の事業場については、実施報告の義務はありません。
法令順守として、きちんとストレスチェック制度を取り組んで、期限内に報告書をまとめて、提出しましょう。

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 - 導入マニュアル3.【実施する】